ようかん は爆弾

ようかん は爆弾

この物語は
2つの実話を元に構成



麻美と煙がはじめて出会ったのは
今から20年前

麻美がモデル時代CDを出した17歳
22歳で店長だった煙のBARだった

2人の間に色々あったが
今はお互いに連絡は途絶え

麻美はシングルマザーで双子のこどもと一緒に暮らし
煙は結婚し順調に見える夫婦生活を送っていた

再会したのは
大手通信会社で働く煙の職場に
麻美が契約社員で就職した時

理不尽な上司の対応に
涙する麻美を
煙が助けた事をきっかけに

2人が体を重ねるまで
時間は必要なかった




「ピンポーン」

麻美が自宅の扉を開けると

「この泥棒猫!」

大声で捲し立てる煙の嫁

見知らぬ顔が4人

よくある
携帯を見られてバレるパターン

煙に未練がない麻美は身を引くが
結果
煙は離婚を選ぶ事となる

数年後
煙が半身不随になった事を知った麻美は

気が付くと煙が大好きな
♯とらやの羊羹
を持って煙の自宅前に立っていた

夜遅かった事もあり
玄関のドアノブに ようかん が入った袋をさげ

ピンポンダッシュ でその場を去った麻美

それから数日後
煙からの電話

「爆発した!」

煙の話を要約すると

ピンポンダッシュの夜
玄関に出て行ったのは
煙の元嫁

扉にぶらさがった袋には
とらやの羊羹
何かを悟った元嫁は鬼の形相で

「あんた!麻美とまだ関係が続いてるの?」

元嫁の思いがけない一言に
爆弾を自分で投げて踏み
自爆するのが得意な煙は
頭の中が真っ白な状態で出た返し言葉

「LINEで少し・・・」

元嫁が爆発するのも仕方がない
半身不随の煙の介護に
駆け付けた夜の出来事だった

それを黙って聞いた麻美は笑いながら




「今から ようかん 持って来ようか?」




次の物語は

元やくざが被害届?